都政新報
 
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【職員】都管理職選考 受験者座談会(下)


▲計画的な受験が浸透。意欲向上にもつながっている=試験会場の様子
  管理職を目指す理由は

出席者
A:官房局(種別A事務)
B:事業局(種別A事務)
C:事業局(種別B事務)
D:事業局(種別B技術)


種別Aは人脈にも強み
■区分

 ――現在の管理職選考での種別Aと種別Bの区分や選抜の仕組みについて、どう考えますか。

 D 種別Aと種別Bの区分は、人事を複線的にやっていかないと、局長・副知事までの育成に間に合わないというのがあると思う。国家公務員のキャリア並みのゼネラリストを作らなければいけないという視点で、区分は必要だろう。種別Aで受かった人は、実に色々な職場に行っている。そうした経験を通じて、知識もあるだろうが、人脈を作ってくるということなのだろう。例えば民間企業に派遣されるとすると、都庁に戻って、その時の人脈を保って、民間では今、こうした動きがあるといった情報を持ち、仕事を進めていく。そうした面でやはり強いのだと思う。

 C 管理に向いている人も、実務に精通して専門的にやっていく方が向いている人も様々だと思う。立場によって処遇の違いはあるが、いろいろな選択肢が用意されていていいと思う。

 B 民間では、基本的に試験で受かるというのではなく、一定の業務成績と上からの評価で昇任が決まる。だから成績が良くて、すごく上まで行きそうなのに、上司に嫌われて、昇任できない人もいる。自分の努力次第なので、選抜については、都のような試験形式の方がいいという気がする。

 A 試験形式だと本当に管理職に相応しい人が申し込まないというデメリットもある。本来は、組織の中で後輩を育てていくような強い思いを持った上司が、仕事を通じて後輩に管理職の魅力を伝え、単なる上昇志向だけでなく、信念を持った人たちが育っていくようだといいのだが。

 ――免除や前倒しなど、計画的な受験や負担軽減の仕組みに関しては、どう考えますか。

 D 受験者を増やすという意味では、成功しているのではないか。私も記述免除になっていなかったら、今回、受験したかどうか分からない。記述も論文も、もう1回、最初からやってというのでは負担が大きく、気力が萎える。

 A 種別Aでも択一と論文があるが、択一さえ合格していれば、来年は論文だけの対策でいいのだから、その点では気持ちが楽になる。

 ――管理職を目指す理由は。

 A すごく考えて、悩んで管理職になろうと思った訳ではない。これまでの仕事で、達成した経験や人脈は自分にとってすごく大事なものだ。仕事もプライベートも大いにがんばってどんどん自分を高めていきたいし、もっともっと東京の街をよくしていきたい。そのために管理職になるという自然な想いがある。

 B 民間企業にいたので、こうした試験で昇任するという制度自体がかなり新鮮だった。自分のステップアップという形で受験したが、自己啓発にもなるし、自分を高めるいい機会ととらえている。

 C 受験を決めた段階から、自分は管理職になって何がやりたいのかと自問自答が始まった。未知数ではあるが、これまでの経験を生かして、実務の責任者という立場で、組織に貢献できるかもしれない。受験を通じて正面から考えることができたこと自体、いい経験になったと思う。

 D 一言で言うと組織への恩返し。先輩から色々と指導を受けて、今の自分がある。今度は自分が、後輩を育てていかなければならない立場になってきたということ。係長でもいいのだが、課長なり、部長なり、より上のポストになった方が、実現できる幅が広がるのではないか。


ズレない、ブレない
■理想

 ――目標とする管理職像はどのようなものですか。

 B 都庁に入って気付いたことですが、組織が大きいので、対外的な打ち合わせなどの際に優位に立っているという考えを持っている人がいる気もする。そこをいかに押し隠しながら、相手の立場に立った交渉ができるのか。そうした面で長けている管理職は、仕事ができるのはもちろん、相手にも、また部下に対しても、細やかに気を配っている。そうなりたいと思う。

 A 時間をかけて課題を理解し、資料を作って説明したら、一瞬にして道筋を示してくれるといった仕事のスキルがすごく高い管理職もいる。仕事の道筋の立て方、段取りの考え方、交渉の仕方、職務を通じて様々なスキルをさりげなく教えてくれたり、プライベートでも色々な面でお世話になることも多い。そうした人は目標になる。

 C 仕事の面では、やはり判断の早い人がいい。悪い話になった時には特にそうだ。また、人の使い方やフォローがうまいこと、オンとオフの切り替えができて、風通しのいい環境がつくれることも重要だと思う。

 D どういう上司についていって、今まで仕事ができたかと考えると、まず方針がズレない。方向はこちらですと、その言ったところが当たっている。全然違うところを言う人はやはり駄目。あとは言ったことに対して、二転三転しない。前提が変われば別だが、何を言われてもここだとブレない。最後は逃げない。そういう人と仕事がしたいし、自分もそうなりたいと思う。
 

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