都政新報
 
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都知事選告示/コロナ禍での論戦スタート/任期満了の選挙は9年ぶり/感染症や五輪の対応など争点

 
  任期満了に伴う都知事選が18日に告示され、れいわ新選組代表の山本太郎氏(45)、再選を目指す現職の小池百合子氏(67)、元日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏(73)、前熊本県副知事の小野泰輔氏(46)、NHKから国民を守る党党首の立花孝志氏(52)らが立候補届を提出した。小池都政1期目の評価に加え、新型コロナウイルス対策や五輪延期後の対応などが争点となる。投票は7月5日に行われ、即日開票される。任期満了に伴う知事選は2011年以来9年ぶり。17日現在の選挙人名簿登録者数は1146万8938人。   =3面に「視点」

■山本氏
 山本氏は午前10時、JR新宿駅南口の第一声で、出馬の理由を「コロナ災害」と説明。「駅、街なかにはホームレスになりたての人が目立つ。行政が手を差し伸べるのは当たり前。国や都はもっと頑張らなければならない」と主張した。
 具体的な対策として、総額15兆円で都民生活を「底上げ」する意向を示し、第2波、第3波の対策として、▽都として10万円給付▽学校の授業料を1年間免除▽コロナ失業者など3千人分を都庁職員として雇用─などを公約に掲げた。「国の言うことをそのままやるトップなど要らない。都民が困らないよう、都民の生活を底上げすることが重要だ」と訴えた。
 小池知事に対しては、「コロナを災害として認めさせるよう、国に求めなければならなかった」とこれまでの対応を批判。「給料が減ったり、路上生活しなければならない状況を止めるのが都のトップの仕事だ」と強調した。
■小池氏
 小池氏は午前10時、都庁第一本庁舎7階で、現職として記者団の取材に答える形で第一声。マスクをしたまま、愛用のタブレットを手元に抱え、「2期目の挑戦に当たっては、東京大改革をバージョンアップし、『東京大改革2・0』を進めたい」と意欲を語った。
 新型コロナ対策を公約の柱に据える一方、1期目の成果も強調。事業見直しで財源を捻出し、待機児童数を減少させたことを例に、「女性活躍、子どもが元気に育つ環境づくりを一層進めたい。『人が輝く東京』の証左になる」と力を込めた。
 選挙期間中は「公務優先」として街頭演説を含む選挙活動を控え、SNSなどを通じて政策を発信する「オンライン選挙に挑戦したい」と述べた。
 政党推薦を受けないが、都民ファの都議団が側面支援。自民党は自主投票で、二階俊博幹事長が支援する意向を表明しているほか、公明党が「実質的に応援する」としている。また、連合東京は17日、小池氏の支持を決めている。
■宇都宮氏
 宇都宮氏は午前10時、都庁第一本庁舎前で第一声を行い、「コロナ感染症の被害をこれ以上拡大させない。都民一人ひとりの命や暮らしを守る都政が求められている」と訴えた。
 小池都政に対しては、都立・公社病院の独立行政法人化を例に、「コロナ対策をしっかりやると言いながら、病院は真逆のことをやろうとしている」と批判。「ロックダウン」「オーバーシュート」など、小池氏の発言を引き合いに、「センセーショナルな言葉を使ったパフォーマンスだ」と批判した。
 更に、「今の日本は、国民の命や暮らし、人権より、経済効率性ばかりを優先した社会。コロナ災害で、社会の脆(ぜい)弱性(じゃく )が露わになった」と分析。「自己責任社会を転換し、市民が支え合う社会的連帯が重視される社会が求められている」と強調し、都政の抜本的な改革を訴えた。
 宇都宮氏に対しては、立憲民主、共産、社民が支援する一方、国民民主は自主投票とし、野党の中で対応が分かれた。
■小野氏
 小野氏は午前11時、歌舞伎町一番街で第一声。やや緊張した面持ちでマイクを握り、「東京を中心に日本を元気にし、活力を取り戻す。地方と東京でカネ・ヒトの循環を作りたい」と声を張り上げた。
 小池氏が前回公約した「七つのゼロ」や山本氏の現金給付を引き合いに、「他の候補者はキャッチフレーズで戦うが、そういう選挙は終わりにしなければいけない」と強調。特に、公務を優先するとした小池氏に対し、「今必要なのは、これからの東京をどうしたいか、ビジョンを持って語ることだ」と述べ、論戦を求めた。
 「私は無名だが、小池さんに勝つ可能性があるポジションとポテンシャル、行政能力を持っている」と小野氏。「バラマキ政治ではなく、真剣に東京の将来を考え、一人ひとりと向き合っていく」と決意を述べた。
 日本維新の会が推薦し、演説では東京維新の柳ケ瀬裕文代表が司会を務めた。陣営幹部によると、19日には本人が都議会自民党にあいさつに出向くという。
■立花氏
 立花氏は午前11時、都庁第一本庁前で支援者らを前に第一声を行った。「政治家は日頃、皆さんにいい顔をしているが、コロナ対策を見たら分かる通り、馬鹿な政策をしている」などと熱弁した。
 小池知事の新型コロナ対策について、「『ステイホーム』と言いながら、都庁に自ら出勤し、(選挙公約の)満員電車ゼロは解決できていない」と批判を強め、併せて「NHKの受信料を払わない人を守る」と持論を展開した。
 立花氏は実業家の堀江貴文氏の愛称を取った「ホリエモン新党」の公認で立候補している。
 

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