都政新報
 
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小池知事新春インタビュー/新しい東京、全国のモデルに/職員との関係「信頼されるよう努める」


  いよいよ東京オリンピック・パラリンピックを迎える今年は、小池都政1期目の総決算の年となる。昨年末に公表した「『未来の東京』戦略ビジョン」で2040年代を見据えた都市の成長戦略などを盛り込み、新時代を切り開く意欲を示した小池知事に今年の展望や1期目の振り返りなどを聞いた。

◆都政改革 復活予算見直しに手応え
 ─2020年の抱負をお願いします。
 やはりオリンピック・パラリンピックの成功。特にパラリンピックの成功が東京にとって、とても重要だ。
 ─来年度はオリ・パラ後の予算でもあります。来年度予算編成の着眼点は。
 人に着目する点は変わらない。オリ・パラ後という意味では、経済の腰折れがないように努めていく。それから、防災。昨年の台風などは(気候変動の)「ポイント・オブ・ノーリターン」を感じさせる災害だった。必要な予算を確保することが都民の安心につながる。
 ─都庁のデジタル化も課題です。職員に求める働き方は。
 宮坂学副知事に加わってもらい、5Gの導入に取り組んでおり、同時にAI導入にもつなげていく。時間がかかっていた作業が一瞬で終えるようになり、労働負荷の多い業務にAIを有効に活用できる可能性がある。職員の経験の蓄積とAIによる判断を組み合わせることで、強い東京になる。
 ─7月には任期満了を迎えます。4年間で公約に掲げた都庁改革はどのように進んだと考えますか。
 大きく変わったところは、200億円規模の政党復活予算を都民や大学、職員からの提案に基づく新しい事業に振り向けるなど、これまでになかった都政の方法をとって進めてきたこと。新しい東京づくりをしていかなければ、国際的な都市間競争に負けてしまう。また、都政改革も自律改革という観点から職員の提案をもらって、キャッシュレス、はんこレス、ペーパーレスを着実に進めている。全国のモデルにもなるだろう。
 ─今任期での成果といえる点は。
 数字で分かるところでは待機児童対策だ。東京は人口が増加傾向にあるため、手遅れになる前に解消するという戦略のもとで、待機児童を約5千人減らした。来年度予算でもさらに前進させる。
 ─一方で、道半ばと認識する取り組みは。
 高齢化対策は、長期的な取り組みとなる。東京の場合、これから高齢化が加速度的に進むことは避けられない。いかに元気に年齢を重ねてもらうか。そのために必要な医療、予防に力を入れる必要がある。戦略ビジョンの柱にも「長寿」を盛り込んだ。 

◆他団体との関係構築 「問題ないと思う」
 ─職員との関係では、弊紙のアンケートで「職員を信頼していない」という声も多かった。受け止めをお願いします。
 信頼されるように努めてまいります。
 ─この間、職員とコミュニケーションを深く取っているように見え、意外な結果と感じました。
 それは『都政新報』の報じ方によるのでは。
 ─区市町村や国との関係性の構築が弱いという声もあります。
 いや、問題ないと思います。
 ─五輪後も引き続き都政のかじ取りを担う気持ちは。
 お答えする必要はない。
 ─ありがとうございました。
 

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