都政新報
 
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【職員】都人勧 マイナス勧告は6年連続

 
  

勤勉手当割合、国並みに拡大
50歳台後半層への減額措置行わず


 都人事委員会が7日、都知事と都議会に行った「職員の給与に関する勧告と報告」は、例月給の公民較差0・29%を引き下げる内容となった。特別給は国等と同じ0・2月分の引き下げとした。例月給は6年連続、特別給は2年連続の引き下げとなる。較差解消にあたっては、初任給付近を据え置き、若年層・管理職層の引き下げを緩和。高齢層は引き下げを強める。特別給に関しては、来年6月期からの勤勉手当の支給割合を国と同程度に引き上げることも打ち出している。

 今年の民間給与実態調査の結果によると、都職員の例月給41万8961円に対して、民間従業員は41万7726円となり、金額で1235円、率にして0・29%、都が民間を上回った。公民較差は国の0・19%マイナス較差よりも大きく出ている。
 マイナス較差の解消にあたっては、引き続き、若年層・管理職層と高齢層で異なる対応となった。具体的には、採用試験区分㈵類A(大学院修了程度)の初任給付近までは引き下げを行わず、据え置きとした。若年層及び管理職層の引き下げは緩和し、高齢層の引き下げを強める。
 ただし、人事院が較差解消のため、55歳を超える管理職相当職員のみ導入した一定率(1・5%)の減額措置については、「特別な減額措置の必要はない」と判断し、実施しなかった。その理由として、都では05年以降、給料表構造の見直しに取り組み、昇給カーブのフラット化など独自に高齢層の給与水準を抑制してきたことを挙げる。
 公民較差解消分と地域手当の支給割合変更(17%→18%)に伴う本給引き下げにより、改定率は0・0%からマイナス1・5%の間で、平均改定率はマイナス1・2%となっている。
 特別給に関しては、年間支給月数を0・2月分引き下げ、4・15月から3・95月とする。支給月数は91、92年の5・45月をピークに減少し、49年ぶりに4月を割り込むこととなる。
 さらに、勧告では特別給への業績の反映度合いにも踏み込んだ。10年12月期は期末手当から引き下げることで、相対的に業績反映のウェートを引き上げる形だが「それだけでは不十分」として、11年6月期の支給分から勤勉手当の割合を国と同程度まで引き上げることが適当とした。
 現在、特別給における勤勉手当の割合は、都が都道府県と政令市の中で最も低い水準の24・1%、国の支給比率は33・7%となっている。
 このほか、医療職給料表(一)は、医師の人材確保の観点から、引き下げ改定は行わない。また、コメディカルや看護職の給料表については、昨年同様、フラットな昇給カーブへの転換を進めるとともに、適切な初任給水準を確保する。
 70年勧告で創設されて以来、ほとんど見直しが行われていないとして、昨年の勧告で、制度の根幹に立ち返ってあり方を検討するとしていた住居手当は、扶養親族を有する職員への加算措置を廃止し、手当額を扶養なしの区分と同額の8500円とする。
 また、扶養手当に関しては、次世代育成支援の観点に加え、民間事業所や国の支給状況等を踏まえて、3人目以降の子等に係る手当額を現行の5千円から6千円に引き上げる。
 高齢期雇用のあり方や国が基本的な方向として掲げる定年延長制等の関連では、勧告や報告(意見)の中で、国の動向を踏まえながら、採用から退職に至るまで、人事制度全体を検証・分析し、課題の整理に取り組むとした。
 

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