都政新報
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小池都政1年/【第2部】都職員アンケート(2)/顧問重用9割「評価せず」/職員軽視の姿勢に不満

 
   本紙が行った小池都政1年の都職員アンケートで、小池知事が政策を決定する際、特別顧問の意見を重視する政治姿勢を「評価する」「評価しない」の二者択一で質問したところ、「評価しない」が全体の94・4%を占め、「評価する」は4・3%にとどまった。評価しない理由では、顧問の職員に対する「無責任な言動」、知事と顧問が密室で政策を決める「ブラックボックス化」などの声が目立つ。 =4面に「自由意見」

◆職員軽視の姿勢に不満
 「評価しない」の意見では、第三者的な立場から職員に指示する特別顧問を疑問視する声が多い。「特別顧問は責任を取る立場にない」(50代部長級以上)と言った声や、責任がないにもかかわらず、政策立案に関わっているのは「おかしい。特別顧問はアドバイスにとどめるべき」(50代部長級以上)との意見が噴出している。
 40代課長代理は「見える化改革の件でも『我々は触媒であって、責任は局になる』と発言したと聞いている」と明かし、職員に責任だけ転嫁されることを危惧した。また、「知事や顧問が去った後の責任を引き継ぐ行政職員の言葉にも耳を傾けるべき」(40代課長)と切実な声も出ている。
 顧問重用は議会や職員軽視と分析する職員もいる。小池都政1年を振り返ると、市場移転延期は市場問題プロジェクトチームなどの会議体はあったが、築地再開発の考えは知事と職員が議論を積み重ねることなく、知事と特別顧問が決定した。50代部長級以上は「ここまで職員の意見に耳を傾けない知事は前代未聞。『情報公開が一丁目一番地』と言いながら、特別顧問との意思決定過程は一切明らかにされていない」と批判した。多くの職員が小池知事の政策決定を「ブラックボックス」と指摘するゆえんだ。
 30代課長代理は「困ったら顧問の独断に任せているような印象。顧問重視、議会軽視であるなら、都議は必要ない。議会の意見も踏まえ、政策決定することが必要」と訴えた。40代主任も「(特別顧問の)意見を聞くのはいいが、職員をないがしろにするやり方は独裁と言われても仕方がない」と見る。
 アンケートで、小池知事の都政運営について職員に尋ねたところ、「職員の声に耳を傾けている」と「思わない」と回答したのが全体の88・3%、「独断的な行動が都政運営に影響を与えている」と「思う」が89・6%に上った。ブレーンを重用していた点では石原都政も同じだが、40代課長は「(石原氏は)自身で善しあしを判断していた」と指摘。そのため、小池知事の顧問重用は「あまりに露骨」(別の40代課長)に映るようだ。
◆「無意味に混乱させた」
 さらに、顧問自身への不満の声もある。従来の都政運営に異を唱える顧問に対し、50代課長は「行政に刺激を与えている意味では評価できるが、行政の安定性を根本から破壊しようとしているように思える顧問の考えには賛同できない」との考えを示している。30代課長代理も「改革という意味では機能している点はあると思うが、これまでの都政運営の全てを否定するような前提が感じられる。もう少し職員や都庁文化を尊重しても良い」と苦言を呈す。
 顧問行政がスタートして1年が経過するが、職員は都庁に何をもたらしたと見ているのだろうか。
 40代課長代理は「特別顧問が都政の現場実態と合わない政策を無理やり押し付けているケースが見受けられ、対応に苦慮している」と指摘。「都政にあれこれ注文を付け、都政を振り回している。そのあおりを受けて、職員は無駄な業務に忙殺されている」(40代課長代理)と訴える。
 職員と特別顧問の議論が深まらない課題もあるようだ。「特別顧問と職員が直接やり取りを行い、または指示を受ける機会が多いが、議論などがかみ合っていない」(40代部長級以上)、「知事と特別顧問の間でも意見の違いがあり、どちらの指示も従うことが困難な場合がある」(40代課長代理)と板ばさみに悩む職員もいた。顧問の重用が「都政や都庁内を無意味に混乱させただけ」(40代課長代理)との見方もある。
 さらに、特別顧問の情報発信にも不満の声がある。50代課長は「(特別顧問は)所管部局が把握していない内容などを公表してしまう」と問題視する。こうした声の背景には、小池知事が6月の臨時会見で豊洲移転の基本方針を公表する前、特別顧問の一人がツイッターで「築地の次は、築地」などと築地再整備の方向性を公表するとつぶやいていたことが念頭にあるようだ。
 特別顧問への注文も出ている。50代部長級以上は「今の仕事を続けるなら顧問ではなく、はっきりと職員に位置付けるべき」と身分切り替えを要望。また、知事に対し、50代課長は「特別顧問の意見に対し、職員や都としての見解を取りまとめた上で知事は意思決定すべき」と求めた。
 一方、顧問重用を「評価する」と答えた職員は「都職員の知見や経験をフル活用すべきという前提の上で、外部の有識者や専門家の発信力や影響力を利用するのは行政の常道と考える。両者が良好な関係を保てれば、成果につながる」(40代課長代理)などがあった。
 

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