都政新報
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検証・舛添都政2年~第3部・都職員アンケート(中)/施策の評価/際立つ「観光」「危機管理」

 
   都職員アンケートでは舛添都政の1期2年間で取り組んだ主な施策等15項目について、「評価する」「評価しない」の2択で聞いた。
 最も評価が高かったのが「観光施策」で、71・0%の職員が「評価できる」と回答。舛添知事は長期ビジョンで2020年までに外国人観光客数を年間1500万人に増やす目標を掲げ、受け入れ強化策として街角で観光案内するボランティア「おもてなし東京」を発足。経済波及効果の高い国際会議などを誘致するための「MICE誘致戦略」も策定した。今後に向けても舟運の活用や地方との観光連携など、政策の種まきに力を注ぐ。
 職員からは「五輪を契機に海外旅行客の対応をもっと手厚くし、真のおもてなし精神を見せ付けるべき」(課長級、40代)との期待が寄せられた。
 次いで評価が高かったのが「危機管理」で、67・6%が評価した。都庁本庁舎では10月から入庁時に警備員のチェックを受けるセキュリティー対策をスタート。また、五輪開催を見据え、サイバーセキュリティー対策を強化するための庁内横断組織を立ち上げた。一昨年8月にデング熱の感染が拡大した際も迅速に対応。さらに昨年度から年4回の住民参加型の防災訓練を定例化し、昨年9月には災害時に取るべき行動などをまとめた『東京防災』を全戸配布し、好評を博したことなどが評価されたようだ。
 ただ、一昨年の9月以降に小笠原海域で赤サンゴを密漁するため中国漁船団が大挙して現れた際には対応が後手に回り、ようやく重い腰を上げて現地視察に向かった際には、既に漁船が去っていたという事態もあった。
 自由意見では「中国漁船の事件では、タイミングが全くずれており、対応の的確性に非常に疑念を持たざるを得なかった」(課長代理級、50代)と指摘する職員もいた。
 「舛添銘柄」となる「水素社会の実現」や「都市外交」も、「評価する」が「しない」を上回ったが、自由意見では懸念の声も少なくない。
 水素社会の実現については、「社会全体ではFCV自動車の実用化が始まったばかり。都がやみくもに税金を投入するにも限度がある。国や民間をもっと巻き込んだ展開を」(部長級以上、50代)、「都民にとってピンと来ない」(課長級、40代)との意見があった。
 また、都市外交は「知事が行動することで都政にグローバル化が根付くことを期待する」(課長代理級、50代)と前向きに捉える声がある一方、「自分よりも東京の売り込みを」(部長級以上、50代)、「(都政での)優先順位はもっと低いはず」(課長代理級、40代)など、全体的に否定的な意見が目立った。
 批判の声が多い中で、全体としては評価が上回った点について、「これまで姉妹都市を訪問することが少ないなど、取り組みが弱かった。石原知事が中国に対して波紋を呼ぶ発言を繰り返すなど敵対的だったのに比べたら今の状況は相対的に良い」(部長級以上、50代)、「海外の首長や大使館との交流が盛んになるのは望ましいが、施策の柱ではない」(課長級、40代)との声があり、評価はするが、プライオリティーでは疑問というのが職員の本音かもしれない。
■議会との関係に注目
 一方、「評価できない」の回答が最も多かったのが「議会との関係」で、87・7%の職員が「評価できない」と答えた。
 都議会では自民党が知事の政治姿勢に苦言を呈す場面が多くなり、昨年9月の五輪特別委員会では、新国立競技場整備に関する国の対応をネット上で批判する知事に対し、議長が「当事者意識を欠いたもの」と厳しく指摘する場面もあった。
 議会との関係については、別の設問で受け止めを聞いたが、この中では「知事の議会軽視が目立つ」と答えた職員が53・1%いたのに対し、「知事の発言等に対する議会側の姿勢に疑問」とする回答も44・1%あり、職員の見方は割れている。
 自由意見では「意図的な議会軽視とは思わないが、知事がコミュニケーション不足で性急な印象」(部長級以上、50代)、「議会軽視というよりも、知事が議会との関係性を分かっていない印象」(課長級、50代)、「ブレーンがいないこともあるが、議会への根回しが無さすぎ」(課長級、40代)など、知事側の姿勢を改めるべきとの意見の一方、「自民の攻撃が執拗(しつよう)に感じる」(課長級、50代)、「議会の知事に対する立場が強すぎる。もう少し対等の関係が望ましい」(部長級以上、50代)、「議会が強くなり過ぎ、知事というよりも理事者全般が議会対策に掛ける労力が多くなり、本来業務が進まない悪循環になっている」(課長級、40代)との声も聞かれた。
 知事と議会との関係については自由意見が多く寄せられ、職員の高い関心事であることは間違いない。
 次いで「評価できない」が多かったのが「教育改革」(72・9%)と「行財政改革」(72・4%)。行革については、舛添知事が本紙のインタビューに対し、「物事を掌握しないで行革を行っても失敗する。最低2回、自分の手で予算を編成し、そこからの話」と答えており、1期目後半の動きが注目される。
 「舛添銘柄」の中で評価が低かったのが「グローバル都市(国際金融センター)の実現」で、67・7%が「評価できない」と回答。自由意見でも「構想自体は良いが、都が出来ることは周辺整備。例えばロンドンのシティーなどは、タックスヘイブンとの関係など『ダークサイド』の部分も背後にある」(部長級以上、50代)など、一都市が取り組む政策としての「筋の悪さ」を指摘する声があった。
 

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