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神奈川県立保健福祉大学大学院・津野香奈美教授に聞く(下)/上位職ほどパワハラのリスク/PTSD発症、組織に痛手も/リーダーシップ研修の充実を

 ─ハラスメントが引き起こす害悪を改めて。
 職員のうつ病の発症リスクが高まる。また、被害者の7割以上にPTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状が見られる。自身の尊厳を否定された経験を一度してしまうと、長期にわたって深刻な症状が続くのが特徴だ。海外の研究では、パワハラ行為者と離れて5年経った後も6割の人がPTSDの症状を持っているというデータもあった。

 ─周囲にも悪影響を及ぼすと聞きます。
 スピルオーバー効果といって、パワハラがある部署で働いていること自体が、その部署で働く職員の健康を害することも私自身の調査で明らかになった。離職意志も高まり、組織にとっても弊害がある。被害者と行為者の関係が解消すればいいというものではなく、ハラスメントが職場で起きていること自体が、組織にとって深刻な痛手だ。

 ─ハラスメント気質の職員が出世するケースもよく見られます。
 パワハラするポテンシャルをどのくらい持っているのかを職位別に確認すると、日本の企業では(職位が)上に行けば行くほど、ポテンシャルを持っている人の割合が多くなる。相手のレベルや理解力を想像できず、自分目線で仕事を与え、相手が自分と同じレベルで仕事をしてくると期待してしまうタイプが、パワハラリスクが高い。
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