東京の死角(24)/「経済的豊かさ」が危うい時代/東京は人を呼び込み続けられるか/地方自治ジャーナリスト 葉上太郎 「経済的豊かさ」という言葉が少し前に話題になった。2021年、国土交通省が「都道府県別の経済的豊かさ」と題した資料を公表し、東京は他地域より豊かとは言えないという分析を明らかにしたからだ。 それによると、都内世帯の可処分所得の平均は全国3位だが、中央世帯(上位40%~60%)に限ると12位に落ちる。しかも、中央世帯の基礎支出(食料費、家賃、光熱水道費)は都道府県で最も高い。これらを差し引くと42位。さらに通勤時間を給与換算して引いたら最下位に転落する。
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