現場最前線/東京都公園協会/サクラ維持へ地中に「空気」/老朽化、人気ゆえの苦労も 今年も都内各地で多くの花見客を楽しませたサクラ。都立公園の個体は戦後間もなく植樹されたものも多く、老朽化などにより7年間で本数が約3割減少するなど、維持管理が課題となっている。こうした中、東京都公園協会は空気を土壌に送り込む技術などを活用した維持管理を進めており、「春の風物詩」を守るための奮闘を続けている。
6月ごろ、川沿いにサクラが並ぶ善福寺川緑地(杉並区)。作業員が特殊な機械を使ってサクラの根本に細いパイプを挿入すると、程なく空気が弾ける音が響き、地面から砂ぼこりが上がった。土壌に送った空気圧で地面をひび割れさせることで、木の根に水や酸素を行き届きやすくする「エアレーション」と呼ばれる作業だ。
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