働き方をデザインする 島田正樹(2)/希望がかなわない人事異動で可能性を広げる

 人事異動は地方公務員のキャリアに関する悩みにおける頻出ワードです。
 そもそも公務員の人事異動は、長く同じ仕事に関わることによる不正のリスクを抑える目的があるなどと言われますが、他にも職員の能力を高めたりモチベーションを回復したりといった目的もあります。
 このように一定の意味はあるのですが、職員個人にとっては、やりたい仕事ができないとかキャリア形成が困難になると捉えられるなど、どちらかというとネガティブな評価が多いのが人事異動です。
 ただ、避けられないからこそ、人事異動を自分の可能性を広げるチャンスとして活用することをお勧めします。
 部署が変わり初めての仕事を任されると、ワクワクする一方で、できるかどうか分からず不安な気持ちにもなるのではないでしょうか。私も初めて係長になる人事異動で、未経験の保健衛生分野の部筆頭係長の内示を受けたときは、あまりの不安に引き継ぎの日程を間違えてしまったほどです。
 キャリアの可能性を広げるのに、この未知な仕事への不安は、とても大切です。
 初めての仕事に取り組むと、やはりミスをしたり、何らかの苦労をしたりはします。それでも、先輩や上司などから指導・支援され一つひとつできるようになっていきますよね。できると思っていなかった仕事でも、多くの場合できるようになるのは、職場という仕組みの優れた点です。
 今の自分が「できる」と思うことは、自分の経験や知識の限界を超えることができません。人事異動は、その限界を超える機会をもたらしてくれます。
 確かに、公務員にとっての人事異動は、今の自分が「やりたい」仕事に巡り合う制度にはなっていないかもしれませんが、新しい「できる」を手に入れる仕組みとして考えてみてはどうでしょうか。
 できることが増えれば、きっと組織から任されることも広がり、やりたい仕事ややりがいを感じる仕事にも手が届くようになるはずです。
(キャリアコンサルタント)