働き方をデザインする 島田正樹(1)/公務員だからこそ「働く」をデザイン

 採用の現場における人気の低下や若手・中堅職員の離職の増加。そしてメンタル不調による病休者の増加。公務員の世界では近年このような問題が顕在化し、人材確保・育成において危機感を募らせています。
 実際、採用試験の倍率はこの10年で7・0倍から4・6倍に低下。定年退職前の自己都合等普通退職者はこの10年で2倍。メンタル不調による長期病休者はこの15年で2倍。
 どれも地方自治体における実際のデータです。このような現実の中で、現役公務員キャリアコンサルタントである私の元には「このままここで働き続けていていいのだろうか」と不安を抱える地方公務員からのキャリア相談が後を絶ちません。
 地方公務員は、何かとままならない職業です。人事異動の希望はかなわない。首長が替われば政策の優先順位が変わる。国の制度の変更にも影響を受ける。大規模災害や感染症の流行の際は家族よりも仕事優先。公務員に対する社会の厳しい視線。
 しかし、地方公務員だからこそ担える役割があり、そこにやりがいや喜びがあるのも事実です。多くの地方公務員の皆さんは、地域をよくしたい、困っている住民のために働きたい、そんな思いをもって新人として働き始めたのではないでしょうか。
 そうであるにもかかわらず、地方公務員として働き続けることに迷うほど、将来に不安を感じ、モチベーションが下がり、結果として辞めていく人やメンタル不調を訴える人が増えています。
 実は私自身も化学技師として将来のキャリアに悩んだことがあります。それが原体験となり、地方公務員とのパラレルキャリアでキャリアコンサルタントとして相談者の悩みに耳を傾けたり、各地の地方自治体の研修講師を引き受けたり、文章を書くことで、公務員の皆さんのキャリア形成のお手伝いをするようになりました。
 公務員が自分らしくイキイキと働くことは、きっとよりよい社会・地域を実現するのに大切なこと。公務員こそ自分の働き方をデザインして、毎日充実して仕事をすることが、住民のためにもなるはずです。
 働き方をデザインするとは、日々の仕事において自分らしい工夫を重ねたり、主体的に人間関係を築いたり、自らのキャリアにおける仕事の意味を見いだしたりすることです。
 この連載では、そんな公務員のための働き方のデザインのヒントをお届けしてまいります。公務員として将来のキャリアに不安を感じる、日々の仕事の中でモチベーションが下がっている、そんな皆さんが少しでも前向きな気持ちで仕事を含めたキャリア(=人生全体)と向き合っていただけたら。そんな思いを込めて、現役公務員キャリアコンサルタントの知見と視点でお伝えしていきたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。

 しまだ・まさき=さいたま市環境局ゼロカーボン推進戦略課課長補佐、国家資格キャリアコンサルタント、認定ワークショップデザイナー、(一社)公務員研修協会理事。1978年生まれ、東京都出身、東工大(現東京科学大学)卒。2005年、さいたま市役所に化学技師として入庁。21年キャリアコンサルタント資格を取得。ミッションは「個人のwill(やりたい)を資源に、よりよい社会・地域を実現する」。目標はフリーランスの公務員になること。