東京の近代史

関東大震災、東京大空襲に関する法的考察

東京の近代史書影

著者:内藤治郎
定価 550円(本体500円+税)
ISBN978-4-88614-296-2
電子書籍のみ

 本書は、東京が蒙った大難、関東大震災と東京大空襲について概要を述べ、関連する法的考察を試みたものである。
 まず、関東大震災についてである。震災の翌日、戒厳令が布かれた。帝国憲法第8条に基づくもので、その第一義は公共の安全を確保することにあった。にもかかわらず、朝鮮人殺害が起こった。亀戸事件や甘粕事件など、軍による不祥事も発生した。近代史における特異な事件とされている。
 また、東京大空襲は、原爆投下と同様、非戦闘員の大量殺戮を目論んだものだ。当時の国際法における陸戦法規や空戦法規から、違法(戦争犯罪)である証明は充分できよう。1945年のニュルンベルク裁判条例(事後法)の「人道に対する罪」に相当するものと言わざるを得ない。