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スタートライン~児童相談所開設に向けて(1)/行政権限の行使/子供の命を左右 重い責任

 「小学校5年生のA君が父親から殴られ、目の周囲が青あざになっている。保護が必要だ」
 区の子ども家庭支援センターから児童相談所にこんな連絡が入ったのは午後3時過ぎだった。
 児童相談所の職員は学校でセンター職員と合流し、改めてA君から話を聞いた上で「一時保護」を決定。児童相談所が保護者に電話で連絡したのは、A君を乗せた車を見送ってからである。子ども家庭支援センター職員の当面の役割はこれで終わり、後の対応は児童相談所が引き継いだ。
 電話に出た母親は絶句し、父親とともに児童相談所に来訪。既に3時間が経過していた。 
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