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東日本大震災/都庁舎も大揺れ/都バス、地下鉄は終夜運転

 東日本大震災で、都庁舎も揺れた。第一本庁舎、第二本庁舎、議会棟などにある83台のエレベーターは、午後2時46分の地震発生で非常管制により全てストップ。職員らは、非常用階段や業務用エレベーターの利用を余儀なくされ、業務の効率的な遂行に支障が生じた。庁舎内の情報収集のために職員を派遣しても、エレベーターが使えないため、なかなか戻らず、情報集約に手間取った。

 第一本庁舎の北展望台に50人、南展望台には93人がいたが、職員の誘導で退避。高層階での揺れはひどく、職員からは「生きた心地がしなかった」との声も。職員や来訪者の中には気分が悪くなる人も出て、休憩室やシティホール診療所へ収容された。

 都庁職の事務室がある第二本庁舎32階では、天井から水漏れが発生。階下の30階の教育庁のフロアでも水漏れが起きた。執務室奥に位置する非常階段には水があふれ、滝のように階下に向かって流れ落ちた。教育庁の職員は「執務室内に水が入らないよう、ビニール袋や周囲にあるものを使って、ドアのすき間に詰め込んだ」と話す。廊下やトイレでは、壁板のずれなども散見された。

 都庁舎では、帰宅困難者約5千人を受け入れた。議会棟でも、収容にあたる議会局職員の姿があった。都の防災備蓄である毛布を提供したり、執務室からの段ボールで「寝床」を確保したり、椅子を用意したりと走り回った。「こんな状況なので、帰るわけには行きません」。徒歩圏内の職員も業務優先で従事した。

 議会棟の1階のオープンスペースにも椅子が並べられた。一時避難していた若い女性の二人連れは外出途中で地震に会い、都庁を目指して歩いてきた。「ここなら、ひとときの暖がとれるから」と話し、携帯から流れる地震速報から目が離せない様子だった。

 都災害即応対策本部は12日午前0時25分、都庁舎内が混雑した状況になってきたとして、新宿区立の施設などへの受け入れ調整を行ったが、電車が一部で動き出したため、移動は一部で済んだ。

 都庁舎の完成は1991年3月。築20年が建ち、順次、大規模な設備更新が予定されている矢先の今回の地震だった。 (続きは本紙でご覧下さい)




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