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東京の宰相~石原都政12年の盛衰/第2部4/総無責任体制で消えた1000億円/自己保身と責任転嫁

「後ろから鉄砲を撃たれる」─都庁の幹部からは、よくそんな言葉を聞く。都庁官僚が12年間、それなりに都政の発展のために尽くしてきても、石原知事は自分の身に危険が及ぶと、変わり身の早さで立ち位置をずらす。それは政治家としての本能なのかもしれない。

■新銀行東京
 「新銀行東京は必ず2年で立て直す。その策もある」
 07年の都知事選街頭演説で石原知事は、こう言って回ったが、経営危機は深まるばかりだった。開業以来、3年という短期間に、経営に責任を持つべき執行役などが一身上の理由で次々と退任。その補充には、金融業に素人の都庁官僚も投入された。
 悪循環から抜け出せないまま、08年2月、都はついに400億円の追加出資を決める。累積損失は1016億円。開業からたった3年という短さに世間は驚愕(きょうがく)した。


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