■■ 書 評 ■■

タイトル



はむむろ貝の唄

まじめ公務員に贈る熱い応援歌

 著者の鈴木さんは、本紙一面に都政風刺マンガ『冗句ジョーク』を20年以上描きつづけているマンガ家だ。

 36年前、ぼくが職員報「週刊とちょう」の編集に携わっていたとき知りあって以来敬愛する友人である。

 そのころ鈴木さんは南多摩開発本部の枢要ポストで激務をこなす傍ら、毎号「週刊とちょう」に『感度』というマンガを連載していた。

 いつも笑顔を絶やさず、人をみる目が温かく、そのころからヤワラカ頭で複眼の思考をする人間通だった。

 定年退職後すでに7年経つのに、今だ都政・都政人をテーマにしたリアルタイムのマンガを描きつづけているのには恐れ入る。都政に対する余ほどの思い入れと人間観察力がなければできない技だからだ。

 その鈴木さんが、近年の公務員叩きの風潮に我慢できず、身を縮めてまじめに働いている都庁の、いや全国の公務員に対して、「元気をだして!」と熱いエールを贈る本を書いた。

 公務員の生き方を書いたノウハウ本は数多いが、類書ではお目にかかれない、実にユニークな記述が溢れている。

 どんな職場でも起き、誰もが体験する身近な事例を取り上げ、鈴木さんの40年間にわたる職場経験に照らし、「えツ、こんなことまで書いていいの?」と思わせるようなホンネの議論を、大胆、率直、軽妙、洒脱に展開するのである。

 全部で五十の小節で構成されているが、小節の見出しをいくつか拾い上げてみよう。

○ 職場は大きな遊び場だ
○ ヒマを大いに自慢しよう
○ おバカが一番、職場の人間関係
○ 講座・不倫のすすめ

 なにやらひんしゅくをかいそうな刺激的な表題の話を、言葉巧みにすすめるのだが、結論を知れば「なるほどなあ」と納得させられてしまう。

そればかりか、職場で生き上手、仕事上手になるために役立つ知恵やヒントが随所に散りばめられているから、読者は、きっと目からウロコが落ちることだろう。

歯切れの良い文章がまことに読みやすい。軽快なリズムとテンポ。ウイットとユーモア。一気に読まされてしまう筆力だ。ほのぼのとしたイラストも楽しめる。
                    
(元生活文化局理事 小澤正英)
                    
『都政新報』2009年2月24日付

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