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| ●基幹学科さらに充実 将来のものづくり担って
将来の日本のものづくりを背負って立つ全国の工業高校生がその知識・技能を競う「第一回高校生ものづくりコンテスト全国大会」が八月十八日、都立江戸川技術専門校で開催された。 そこで唯一、東京都から入賞を果たしたのが、都立府中工業高校三年の高橋啓太君だ。「都立の工業高校も頑張っているんですが、どうしても地方の工業高校に押され気味です。その中で、全国で二位になったのですから、みんな喜んでくれました」と平林洋志校長も嬉しそう。 「学校改革の一環で学科改変の動きもあるが、府中工業では基本的にこのスタイルでいく。こういう基幹学科をさらに充実させることも必要だと思うんです。新しいものに飛び付いても少し経ったら離れていってしまう。オーソドックスなスタイルも必要ではないかと思っているんです」 数学が専門で普通高校から異動し二年目という高橋伯也教頭は、「先生方が持つ手の技術を伝えていけたらなあと思います。機械科などで、生徒には難しくて出来ないものも、先生がやると難なく出来る。こういうものは、実際に技を見たり、手を見たりしないと難しい。手を使った技術者が今また求められていると思うんです」と話し、輪切りで一律に切るのでなく、実際に手を汚すことが好きな生徒でないと三年間務まりませんよ、と中学校にPRに行っても話すそうだ。 しかし、この成績ならこの学校と意に沿わない入学を強いられる生徒もいる。以前は退学していく生徒も多かったといい、それを何とか減らしたいという思いでやってきたと校長。 「管理職になってからは特に、せっかく入学したからには、何とか卒業させたいという大前提を堅持させたいと思うようになりました。学力的には昔の方が、自分から進んでやる生徒が多かった。今は、実験でも教師が細かく段取りして指導しなくてはいけない。その中で、先生方は生徒を大事に、綿密な個々の指導に当たってくれ、家庭とも連携して一緒に子どもを育ててくれている。よくやってくれていると思います」 校長は、技術指導は人格形成だという。「実習ではそれなりの服装に着替え、最後は清掃もきちっとやらなくてはいけない。生活指導に力を入れているので、茶髪はいないし、落ち着いていると思いますね」 立石武則教頭は四月に赴任したばかり。「野球部が盛んですが、敷地が広いので恵まれている。設備も立派で、その中で補習をやったり、少人数授業で個別対応を心がけているんです」 取材当日は文化祭。工業高校ならではの催しを見て欲しいと、教頭二人に案内された。コンテストでは、五部門に分かれた中の電子回路組立部門で入賞した高橋君。情報技術科の生徒で部活も情報技術部に属し、部の展示では、府中工業高校が会場となって十一日に行われる「高校生パフォーマンスロボット競技大会」に参加させるロボットを動かしていた。 「世の中に出たら、普通よりは下かなと思っていたので、コンテストは楽しんでこようと参加しました。実際は、事前に考えていた回路を少し変更すればよいだけだったので、いつも通り造ることが出来ました。中学の時から工業のことしか興味がなくて、色々検討し、パソコンのハードもソフトも両方学べるのは、ここの情報技術科しかないと入学を決めたんです」と高橋君。 実際、入学して「先生方も同じ分野が好きな方ばかりで、話が合うし、すごい先生方が一杯いて参考になることも多く、毎日楽しいですね」と。進路もコンピューターの道に進むため、短大に行くという。 ほかにも、電気科でリニアモーターカーを走らせたり、情報技術科で入場者にオルゴールやタイマーの製作コーナーを設けたり、機械科の工場を公開して、最先端の設備を披露したりと、普通校には見られない展示が目に付く。また、グラウンドでは、都立高島高校野球部との招待試合の真っ最中だった。 「始まる前から小学生が並んで、目を輝かせているのを見ると、こういう子が育っていって欲しいと思いますね」と高橋教頭。 ものづくりに光が当たって、追い風になっているのを嬉しいと話す校長。「ものづくりコンテストも、技を競わせて励みにしようということで、自信もつくし、教員も指導に力を入れるようになります」 併せて、ジュニアマイスター顕彰制度も始まった。「国づくりは、ものづくりとしてここまで来たわけで、汚いとか苦しいとかの暗いイメージを払拭し、工業高校として中堅の技術者を輩出することが、求められていると思う」と言うのは皆の思いでもある。 ↑TOPへ戻る |