|
|
|
| ●2千本の樹木生かして 環境教育の成果身を結ぶ
校名は、江戸時代には加賀の前田侯の下屋敷があったところから、加賀藩ゆかりの地名からとったもの。わが国で初めてのオープンスペースを取り入れた学校でもあるというが、今は、「二千本の樹木に囲まれた学校」として有名だ。 板橋区は、一九八八年度から「学校の木々を地域の安らぎの場にしよう」という“学校の森構想”で、区内の小・中学校に樹木を植えてきており、現在まで全八十校のうち三十五校に学校の森が誕生している。 「抵抗も強かったそうですが、受け入れを決めた第十代の木下靖正校長、また教育に生かされなければ、ただの森ですが、これらを環境教育を生かそうと考えた十二代の三宅清子校長の努力があって、今、花開いたという感じなんです」と九六年度から校長を務める高山厚子校長。 それを裏付けるように、昨年度には東京都教育委員会から、「環境教育の推進」に対し、第一回目の学校教育功労章が授与された。さらに今年も、作家の倉本聡氏らがつくる自然保護団体「CCC自然・文化創造会議/工場」と日本ユネスコ協会共催の「環境教育コンクール」で優秀賞に選ばれ、児童三人と教諭一人がドイツに招待された。また、朝日新聞社が創立百二周年を記念して創設した第二回 「朝日のびのび教育賞」の受賞と、まさに大輪の花が咲き誇った感じなのだ。 「ただ当たり前のことをやっているだけなんですが、実践が大きな賞につながったんだと思います。全国から見学に見えますが、こういう都心でも出来るし、木がなくても、ちょっとした草花があれば出来ることなんですよね」 しかし、ここに来るまでには着実な歩みがあったことも確かだ。最初は校庭に植えられた二千本の木が何かも分かっていなかった。教員と児童が一緒になって図鑑を調べたり専門家を招いて、一本一本の木に樹名板を設置していった。 また、学年の木を決め、その一本は実のなるものにし、皆でかりんや梅のジュース、夏みかんのマーマレード、キウイフルーツのジャムなどを作っている。落ち葉もたい肥にし、畑ではさつまいも作り(写真)も。 「すっぱいとか苦いとか、肌で感じるんですよね。マーマレードにする使い方もあるんだと分かるし、公害問題にも結構気が付くようになる。落ち葉もたい肥にして自然に循環するんだということを体でおぼえてしまうんです。夏休みの自由研究も環境に目を向けたものばかりなんですよ」 毎年一月には「豊ゆずり集会」を開き、それぞれ上の学年が下の学年へ、自分たちが大事にしてきた木の育て方とか小鳥の様子とかを譲り渡す会が行われる。「自然を愛する心も引き継いでいて欲しいなと、ずっと続けているんです」 この集会の圧巻は、皆で歌う『RAP OF KANAZAWA』。早く樹木の名がおぼえられるようにと先生方が作ったもので、ラップ調の曲に思わず笑ってしまう歌詞で、子どもたちもすぐに大好きになっておぼえてしまうそうだ。 「自然とのかかわりが大切だというのを肌で感じると、人とのかかわりも大事だと分かってくるんです。隣が高齢者施設なんですが、おいもをふかして持っていったり、ハーブを作ってプレゼントしたり、学校の秋の様子を案内したいと、木洩れ日の中を車いすを押してあげて、大変喜ばれました。夏休みも自発的に子どもたちがお年寄りに会いにいったんですよ」 感動があると、また次々と新たな実践が生まれるのだと。「先生方が本当によくやります」というように、九五から九八年度は「心豊かな児童の育成〜身近な環境を生かして〜」をテーマに、板橋区の研究奨励校や都の研究校、区のエコポリスセンター環境情報活用・インターネットモデル校、文部省の環境推進モデル校などに。九九年度は「関わりを大切にする子ども育成〜総合的・横断的な学習を通して〜」、今年度も「関わりを大切にする児童の育成〜環境教育を通して〜」をテーマに、研究活動を推し進めている。 「これらを総合的な学習の中に生かしていこうと考えています」といい、次は環境テキストを作成する計画だ。「子どもたちに愛を伝え、希望を持ってもらうために教育があるのではないかと思うんです」という高山校長だ。 ↑TOPへ戻る |