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| ●9年間で子どもを育てる 地域全体をネットワークへ
JR横浜線にみなみ野駅も誕生し、みなみ野シティーとして新しいまちづくりが進んでいるが、その家並みに調和するように、二階建ての校舎が続く八王子市立の「みなみ野小学校」と「みなみ野中学校」。 コンクリート打ちっぱなしの外観に、小学校は廊下と教室が一体となったオープンスペースになるなど、開放的な教育空間が特徴。中学校も多目的に使える空間や、生徒の談話スペースもあるなど、ゆとりを感じさせる学校づくりだ。 小学校と中学校が対になるように左右に広がるが、まちづくりが進むと同時に増加する生徒数に対応するため、現在、小学校を中学校の校舎まで広げる工事を進めている。完成すると正門は一緒になることから、「これを機に八王子市立みなみ野小中学校にしようか」と笑う古山校長と、みなみ野中の遠藤義行校長。(写真=開校以来の小中合同の運動会) というのも、一九九七年に開校してから、両学校とも「子供を育てること」を第一義に、できるだけ小・中で協力し合おうというスタンスで来ているからだ。 「四月開校で、発令が下りたのが二月一日。お互い校長は初めての経験だし、色々話し合いながら、協力し合おうということになったんです」と遠藤校長。 「学制で小、中が分かれているだけだが、独立してやってきた歴史的な背景もあり、難しい部分があることも確かです。ただ新設校として同じ問題を抱えていた。通学路でも同じ通学路を使い、指定の届け出も一緒にする方が能率的だし、工事状況から、どう安全を確保するか連絡を取り合ったり、同じ対応をする場面が必然的に出てきたんです」と古山校長も話す。 そして、まずは分かりやすい活動の中で協力をしていこうと、五月末に行う運動会を合同でやってみようということになった。 「先生方も初めは夢みたいな話で、そんなこと出来るのかという感じだった。同じ義務教育の中で子供を育てるわけで、目に見える効果というより、計画を立案する中で意見を言ったり、創意工夫をし、悩みを出したりする中で、お互いを理解するきっかけになる。子供にとっても異年齢の中で協力し合うことが出来るんです」と遠藤校長。 古山校長も「さっと動き出したのは小学校の先生だったが、いざ始まると、中学の先生の方が色々アイデアを出してくれた。お互い勉強になったし、何よりも地域的な接着剤になった。ここには新しい人もいるが、古くからの住民もいる。新しいみなみ野の中で、多くの人が一堂に会す機会になったことで、地域でも感謝されました」と話す。 今年も六月四日に、第四回の小中合同運動会『みなみ野スポーツフェスティバル』が行われ、小一から中三の生徒約七百四十人が演技に参加した。 「見せるタイプの運動会ではなく、参加する形の運動会なので、練習はほんの数日で済むんです。でも、こうした小中連携として表面に出ている部分よりも、ここにいる一人ひとりの教職員がお互い垣根を取り払い、理解し合えたことが、それ以降大きな財産になったんです」と遠藤校長。 中学生が取り組み始めた地域清掃に、小学生も一緒に参加するようになったり、中学の水泳大会に六年生が出場したり、英語の先生が小学校に来てオリエンテーションをしたり、中学の授業を小学生が参観したり、中学生が小学校の見学に行ったり、果ては小学校と中学校を総入れ替えしてみたりと、連携は数知れない。 地域に生きる人間を育てるのに、小中連携は必然的なことなのだと。「良い子供、良い人間に育てるために、小・中で子供を育てていく。九年間のスタンスで、長い目で子供を見ていく」という姿勢が大事なのだと強調する。それが、自然に目上の者に対する尊敬・礼儀となっていき、目下の者に対する思いやりにつながっていくのだという。 「きっと効果は色々あると思うが、それは表面的なもので、表面に表れないものが大きいのではないかと思う。それは、うちの小学生、中学生を見てくれれば分かると思うんですよ」と古山校長と遠藤校長。 小学校が七十五人から二百六人に、中学校も二百七人から五百四十五人にと、開校当時より生徒数が膨れ上がり、難しい面も出てきたが、小中合同で研修会を持って研鑽も怠らない。保育園から高校まで、いずれこの地域全体を一つのネットワークで結びたいという夢も広がっている。 ↑TOPへ戻る |