教育の現場

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2月29日付(4626号)   「教育の現場」INDEX
●真冬に竹馬運動会…今年で第25回
 異年齢で教えあう効果も

江戸川区立大杉東小学校

 「速い、速い」「すごいね」「走るより速いよ」−−そんな声が飛び交う中、歓声が最高潮に達した瞬間、最後のリレーランナーがゴールに飛び込んだ。
 大寒の時期、江戸川区立大杉東小学校では毎年こんな情景が繰り返されている。竹馬運動会と銘打つように、徒競走も障害物走(写真)も相撲もサッカーもリレーもすべて竹馬に乗ったままの運動会なのだ。
 今年も1月29日、第25回竹馬運動会が行われ、半袖短パン姿の子供たちが校庭を駆け回った。
 「当時の校長が日本伝承の遊びを伝え、子供のバランス感覚や子供同士がお互障害物走いに教え合うことで友情を育てたいと思い、始めたと聞いています。自然の竹を使い、自然とも触れ合え、手作りの良さも味わえるんです」と城倉久和校長。
 25年の歴史の中で技も増え、今では一つの伝統として、大杉東と言うと竹馬をやる学校として定着。「校庭の端に竹馬がずらっと立て掛けられている光景は、すっかり冬の風物詩になっている。地域の宝だと思って下さっていて、地域の方も声をよくかけて下さるんです」と言う。
 ここでは竹馬活動を学校教育の一環としてきちんと位置付けている。学年を超えた“なかよし班”で、ゆとりの時間を活用して、竹馬作りや練習を共にする。「2002年度からは総合的な学習が週3時間入って来ますが、その目玉にも十分なります」と小原サナへ教頭も話す。
 10月に5、6年生と職員との竹切りからスタート。竹馬作りはなかよし班ごとに行うが、親にも積極的に参加を促す。昨年は10月16日に親子竹馬作りを実施し、祖父と父親と子供の3代で参加する微笑ましい様子も見られたという。
 そして、なかよし活動や体育の時間を利用して竹馬の乗り方から技へ、さらには8級から大名人まで10段階ある級取りに挑戦していく。「1年生は鉄棒を支えに恐る恐るやっています。生徒は本当に純朴で、出来るようになると誰かに認めてもらいたいんですね。低学年でもよく声を掛けてくるんですよ」と校長。
 異年齢が一緒のメリットも大きいが、高学年だから男子だから上手ということにならないのも竹馬の面白さだ。この日も、小さな子がすごいスピードで走り抜け、「あの子は2年生で、1年生の時にもう名人になったんですよ」と校長も目を細める。サッカー(写真下)では女子が1人、チームに加わってボールを蹴っていた。
竹馬サッカー 晴天と言っても冬の最中だ。ふれあい活動として近隣の高齢者を招待しているが、今年は普通のテントでなく、ビニールテントを手作りした。「温室の中みたいで暖かいですね」と言うおばあさんは、「もう孫もこの学校にいないんだけど招待状を下さるので、いつも来ているんですよ。楽しいですね。家にもまだ竹馬を捨てないで取ってあります」と話してくれた。
 個人、団体で展開する競技に皆、真剣だ。1位の生徒には「感想を」とマイクが向けられ、「嬉しいです」「チョー最高」「相手に恵まれました」などと返事が返ってくるのも愉快だ。
 競技の合間には技の披露も。両ハンカチひろい、変形竹馬を作り乗れるという「大名人」は10人で、「直前まで級取りに挑戦するので、私もこの日まで何人か分からなかった」と校長。大縄跳びをし、身長をはるかに超す竹馬も操る。昨年11月20日は都教委の「トライ&チャレンジふれあい月間」に招かれ、都庁大会議室で技を披露し、大いに注目を浴びた。
 校長も教頭も初めて運動会を見て、「すごい」と思ったと。まだうまく乗れない子には前から竹馬を持って支えてあげ、全員が何かの競技に参加する。「うまくなると、足台を上げたり、竹を細くしたり工夫しています」と教頭。裸足や靴下や靴の子供と様々だ。
 竹馬は子供の時にマスターしないと、大人では難しく、ここでも職員が乗れるわけではないそうだ。「生徒が教えることになるが、勉強も一緒で子供同士が教え合う効果は大きい。分かりやすい教え方をするし、教える方も教えながら学んでいるんです」と校長。
 閉会式では記録証の授与があり、30メートルタイムレースでは1位が5秒58、200メートル走では1分21秒という好記録。赤・黄・白・青の4組で、今年は黄組が優勝杯を手にした。
 「大杉東小は卒業しますが、この経験は絶対忘れません。皆さんも技を磨き続けてください」。6年生の終わりの言葉で、今年の竹馬運動会は幕を閉じた。
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