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10月24日付(4978号)   「この人」INDEX
●『パワーハラスメントの衝撃』を出版

中央労政事務所課長補佐(調整係長)
 金子 雅臣さん


 セクハラ、ホームレスと追って来て、今度は『パワーハラスメントの衝撃』を上梓。テーマにはいつも差別が根底にある。

 「差別と気がつかないことがセクハラと言葉を与えられたことは大きかった。パワーハラスメントも言葉の持つインパクトで、皆に考えて欲しいんです」

金子雅臣さん 氏が送り出したセクハラ本は社会の大きな動きにつながり、『ホームレスになった』でも、現代の人間関係の貧困化をあぶり出したが、今回の本でも、パワハラがいじめでなく職場の構造として起きることを明らかにし、処方せんを示した。

 「日本は集団主義、会社・男性中心で、自立的な仕事を認めない社会です。それに能力・成果主義が言われ、平成不況もひどくなって、皆がいす取りゲームを強いられ、リストラや性差別などもあって、どうにもならない状況がウミのように出てきたんだと思うんです」

 学校のいじめとも二重写しに。「被害者の方が特殊なような見方をすることで、危機感が持てないんです」

 しかし、根性論がまかり通る社会は息切れするに決まっている。それぞれの能力を認め合い、スローダウンして真っ当に仕事が出来る社会になるはずと、決して悲観はない。

 自分のライフスタイルにこだわった役所人生も来年は幕を閉じる。「競争せず、自分のポジションを決め、定点観測するスタイルを貫けた」と言い、『役人は出世しない方が百倍面白い』という本を出そうかと笑う。

 区切りとして今度は公務員として自分が考えることを発信しようと決意。『役人はなぜウソをつくのか』(日本評論社近刊)で、いざという時の対応が出来ずに、とっさにすぐバレる嘘をついてしまう役人の習性を。産廃場に絡んで殺された職員や、BSEで自殺した職員についても追いかけたいと。

 「真っ当なことをやれない組織のゆがみのようなものが典型的に表れた事件だと思う」

 都庁も裸の王様だと誰かがいつかは言い出すはず。スタンダードなまなざしも忘れないで欲しいと。「いつの間にか生活の支援を受けに来る人を怠け者と見てないだろうか。どの仕事でも、何のためにこういう仕事があるのかを考えれば、差別的な視線は出ないはずです」
              ◇
 労働行政一筋で、労働相談などに就く。妻が一足早く専業主婦になり、今は少し家事の負担が軽くなったと。表題の本は、都政新報社から11月初旬発刊。1600円(税別)。
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