都政新報
 
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【多摩】検証 26市の給与構造改革(上)給料表

 
  主任の最高号給 18市が「都超え」

係長、主任とも最高は国分寺市


 都総務局は8月31日、都内市町村の給与制度の状況を初めて公表した。地方自治体の給与に関する情報の積極的な公開が求められる中、各自治体の給与制度の透明性を高め、住民等が各市町村の給与制度を比較・分析できるようにするのがねらい。また、国の給与制度改革が今年度、最終年度を迎え、各自治体の取り組み状況を明らかにした。多摩26市の給与はラスパイレス指数が高く、「実質的わたり」について総務省から指摘されるなど、一部の市で「高給体質」が課題となっている。今回、示された各市の給与制度状況を2回にわたって検証する。

 26市の状況を見ると、給料表や各種手当の水準が都より高いケースが多くみられた。このうち、各職層で到達できる給料の最高額となる最高号給をみると、特に主任級と係長級で、ばらつきが大きい結果となった。
 主任級と係長級とも、最高号給が最も高いのは国分寺市。主任級では、最も低い昭島市や日野市などと比べて5万9900円高く、係長級では、最も低い狛江市と比べて3万1900円高い結果となった。
 多摩26市のうち、主任級では国分寺、町田、青梅の3市の最高号給が、都の係長級の最高号給を超え、係長級では、国分寺、国立、青梅、立川、府中の5市の最高号給が、都の課長補佐級の最高号給を超えていた。昨年度、総務省が公表した「わたり」の調査では、「都の上位級の給料表の最高号給を超える水準」まで昇給できる制度は、「実質的わたり」と判定されている。
 主任級と係長級で最高号給が一番高かった国分寺市は、「この間、地域手当との配分変更で、給料表を2・7%引き下げたが、結果として他市の見直しに追い付いていない。今回の結果を受け、都表への切り替えを組合にも提案した。市民への説明責任もあり、来年4月には見直しを図れるよう取り組みを進めている」としている。
 主任級で2番目に高かった町田市は、最高号給を超えて昇給が可能な「枠外昇給」ができる制度が残っていることが一因となった。枠外昇級は、国や都が06年に廃止しており、多摩26市では町田市のほか、国立、多摩、羽村の4市のみが設けている。町田市は「給料表上は都並みの水準となっているが、枠外昇級が残っているため、都よりも高い水準となっている。現在、廃止に向けて組合と協議を進めており、年度内にも見直しを図りたい」と話す。
 主任級と係長級の最高号給が3番目に高い青梅市は、「都よりも高い状況を是正するため、昨年から組合に提案しているが、合意には至っていない。地公法でも、国や都と均衡を図るよう定められており、都に近づける形で引き続き見直しを進めていく」との考えを示す。
 多摩26市で、主任級の最高号給を都より低く設定している市はなく、都と同じ水準(37万4300円)が8市。都を超える市は18市だった。また、係長級で都よりも低いのは狛江市のみで、都と同水準(41万6400円)は9市、都を超える市が16市となる。
 なお、町村部の最高号給は、主任級、係長級とも、都と同水準か低かった。島しょ部では、都よりも低い国に準拠した額となる。
 市財政が厳しさを増す中、国や都よりも高い水準で支給している各市は、より一層、市民への説明責任が求められることになる。
 

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