都政新報
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小池新知事インタビュー/東京の付加価値高める/「都政改革は意識改革から」

 
  

小池知事が就任してから今日で10日が経過した。就任の記者会見では都政改革本部の設置を打ち出し、都政改革に取り組む姿勢を強調。また、就任から3日後の定例会見では、「2020年に向けた実行プラン」(仮称)を策定することを明らかにした。環境相や防衛相を務めた経験などを生かし、都知事としてどのように取り組みを進めていくのか。小池知事に単独インタビューを行った。

◆市場移転「関係者にヒアリング」
 ─「国を変える」ことを標( ひょう)榜(ぼう)して国政に進んだが、都知事を目指した理由は。
 以前から国政で日本を変えたいという思いで取り組んできた。東京都選出議員になって11年が経ち、都政に非常に関心を持ってきた。突然、舛添前知事が降りることになり、首都である東京都政に挑戦することはやりがいがあると思った。東京はもっと輝けるはずだけど、十分輝いていないという思いがある。私がこれまで取り組んできた様々な施策を加味することで、東京がもっと価値を高められ、東京に住んで良かったと思える人が増えると考えた。
 ─東京に足りないものとは具体的に何か。
 例えば待機児童問題は現象の一つであり、根本には女性の働き方、ひいては男性の働き方の問題がある。そこに手を付け、女性がもっと生き生きしていくことで男性も更に輝くという相乗効果を目指したい。日本のホワイトカラーの生産性はイタリア以下だ。長時間働くことが善という発想があるが、長時間労働は人間が干からびるだけ。もっとスキルアップやレジャーなど自分自身の部分を伸ばす必要がある。長時間労働は開発途上国のもので、その段階はもう過ぎている。意識改革が必要で、クールビスがまさしくそれだ。ほとんど予算かけていない。発想だ。これからいろんな条例を出したり、都政改革本部を作るが、私の発想の基本的なところは意識改革から入る。東京で行えば全国にも波及する。
 ─行革や予算の在り方を検討する都政改革本部を立ち上げるが、予算で言えば監査など既存の枠組みがある。狙いは。
 監査は(税金などが)正しく使われるかということをチェックするのが役割だが、都政改革本部は予算がどういうプロセスで決まるか、構造的な部分を改革するもので役割が違う。これまで大阪市や名古屋市では様々な改革の取り組みがあった。東京では石原都政で聞いたことがあるが、その後は改革という言葉が使われていなかったと思う。291万人を超える方々から票を頂戴したことは改革という言葉に反応された結果と思う。どういう形で進めるか、今ちょうど研究している。
 ─選挙期間中に市場移転を立ち止まって考えると発言しました。
 移転に至るまで苦労した方々、移転に備えている方々がいることは重々承知している。一方で納得されていない人、11月はやめてほしいという声、安全性への疑問、使い勝手が悪いとの意見を聞いている。推進している方と、そうでない方々双方にヒアリングし、その上で判断したい。
 ─今はそういう時期ではないとの声も多い。
 11月7日に豊洲が開場し、既に100日前のカウントダウン(イベント)が行われたことも全部承知した上での判断だ。新政権だと思ってほしい。

◆議会対応「真摯に意見聞く」
 ─都の長期ビジョンを基本的に継承するとした上で、実行プランを策定する狙いは。
 東京五輪の2020年で区切っているわけだが、長期ビジョンの中で芽出しした中で、生活に関連した部分や五輪関連の施策など喫緊の課題を(実行プランの)4年間で改革を成し遂げ、改革のベースをつくりながら進めていく。東京の課題は誰がリーダーであれ明確だ。その中で緊急性や予算の多寡をもう一度整理し、プライオリティーを決めるのがまさしくリーダーの役目。そうした進め方をしていく。
 ─予算の依命通達でも全事務事業に終期を設定するなど、時間軸を意識しています。
 これはむしろ事務方から出てきた案。役所は普通、終期を設けたくないと思う。いつまでもやり続けたいと。こういう案が出てくるのは良い傾向だと思っている。普通の企業なら役目を終えた組織を重視しないのは当然だ。民間でやっている当たり前のことを都庁で出来ればと思っているし、逆に言えば、民間で出来ていないことを都庁で先行して行いたい。
 ─これまで環境相や防衛相など行政のトップを務めてきたが、都庁の印象は。
 組織の規模が大なり小なり、マネジメントは同じ。一人ひとりのやる気を起こして、方向性を一致させて目標に向かうということ。そして現場に任せること、リーダーシップを握ってしっかりと率いていく。基本はマネジメント、経営ということを考えてやっていきたい。
 ─選挙では都議会批判をしてきたが、知事として、今後どのように取り組むか。
 選挙後、まだ間もないということもあって、(関係改善は)少々時間がかかるかもしれない。だが、お互い、都民の1票で選ばれており、(議会側と)都民の利益は全く違うところにあるとは思わない。一つずつ真(しん)摯(し)に都議会の意見を伺いながら、都民ファーストに資するよう取り組みたい。
 ─10年後、どういう東京になってほしいか、知事のビジョンを。
 女性も男性も子供も大人もおじいちゃん、おばあちゃんも、障害を持った人たちも生き生きと希望を抱いて、生活する首都・東京にしていきたい。世界の中の東京だと思っている。東京に対しての付加価値、外から見た東京の付加価値、住んでいる人たちの東京の付加価値を実感してもらえるように一つずつ取り組んでいきたい。私はホームランを打つよりは(メジャー通算)3千本(安打の)イチローにならって、コツコツとやっていきたい。小さなヒットを積み重ねて、東京がより元気になったというふうにしたいと思っている。
 ─未来の東京をともに作り上げていく職員にメッセージを。
 どんどん挑戦してほしい。責任は私が取る、ということです。

(聞き手=後藤貴智)


 

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