都政新報
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小池知事 就任1年インタビュー/1年目は「創造的破壊の年」

 
  

 小池都政が誕生してから2日で1年が経過した。本紙が行った都職員アンケートでは、小池都政1年に採点をつけてもらったところ、平均点が46・6点と石原都政や舛添都政と比べて低かった。職員アンケートの受け止め、都政改革の手応え、2年目の抱負などを小池知事に聞いた。

 ─この1年間で手応えを感じた都政改革を三つ挙げてください。
 改革本部を設けて自律改革を目標にして、各局から自律改革案を職員から出してもらったことが1点。例えば改革本部の流れの中から目安箱を作って、職員から本音の話が聞こえてきた。働き方とかね。中には『誰それがセクハラ』とか(笑)、とてもリアルな叫びが聞こえてきている。システマティックに組織的に改善していく流れを作ってきた。そして都政への関心が高まったことは一番手応えを感じたことです。
 ─もう一つ挙げるとしたら。
 かつて大臣をやっていた時も1年目はいろんなことを壊した。だいぶ壊した。創造的破壊(の1年)だと思います。
 ─フットワークの軽い知事から見て、職員の動き、働きぶりはどう映っていますか。
 (都は)財源に恵まれていて危機感が薄いと感じる。さらに改善していく必要があると思っている。職員からすれば、ありがたくない知事だと思います。だけど私の使命は職員に喜ばれる知事よりも都民に喜ばれる知事。だから都民ファーストと言っているんで。(都職員)アンケートの結果が低ければ低いほど良い仕事しているなと自分で思う(笑)。
 ─ただ、職員は知事の部下で、トップと一体でないと(機能しない)。
 これからよ。
 ─本紙が行った都職員アンケートでは、(小池都政1年の平均点が)46・6点と低かった。
 いや、アンケートは設問によって誘導されますから。
 ─石原都政や舛添都政と比べても低い。
 御しやすかったんじゃないですか、みんな。 ─職員アンケートでは(知事が)職員を信用していないという意見も多いです。
 それは意識改革を進める上で仕方がない。
 ─職員との信頼関係あっての都政では。
 これからですね。
 ─具体的にどう取り組んでいきますか。
 基本的には職員に相談すると、あちらの(議会)棟に筒抜けになる。重要なことはあえて相談しませんでした。
 ─今後は。
 相談しますね。(都議会の)環境が変わりました。
 ─信頼関係では、特別顧問に関する意見を言う職員が多かった。
 そりゃ、耳の痛いことばかり言うんだから、歓迎されないよね。
 ─責任を持たない立場の顧問が指示するのはどうなのかという意見も多いです。
 私が顧問にお願いしているわけですから。
 ─知事と顧問の間でも意見が合っていないのではという場面も(見受けられる)。
 顧問はいろんなアドバイス、意見を出すから顧問なのであって、同じ意見の顧問に頼んでいたら意味がない。
 ─顧問からのアドバイスを(知事が)受け止めて指示を出す流れがいいと思いますが。
 (指示を出すのは知事と顧問の)両方ですね。(職員は)嫌なことは聞きたくないのよ。
 ─2年目に当たり、職員に求めることは。
 よりコスト感覚を持って、都政をサステナブル(持続可能)な首都にしていくため、原点に戻ってシビルサーバントとして頑張ってもらいたい。力のある人はたくさんいる。そういった職員が伸び伸びとクリエイティブにこれまでの延長線ではなく、クリエイティブに、2度言いますけど、そういう仕事をしてほしいと思っています。
 ─そのための仕掛けは何かありますか。
 ビジョンを明確にするということ。女性の活用をしきりと言っているが、女性の管理職や若い世代にもポテンシャルを持った女性陣が控えている。他のどの組織よりも女性比率が高いのが東京都庁。日本のモデルになれるようにしたい。女性を引き上げれば、男性も頑張るんですね。世界を見れば当たり前なんですが、日本はまだいびつで、『女性が、女性が』といっているうちは駄目。そういうところも出した東京都政にしていきたい。
 ─2年目以降の最大の課題は何か。
 五輪や市場移転を着実に進めるのは当たり前の話。これからの人口構成を考えると、(少子高齢化となり)今から仕込んでおくのが責任だと思っている。
 ─そうした地に足のついた政治課題よりもパフォーマンスが目立つという声も多かった。
 でも目立たなければ都政のことは知られないでしょ。
 ─(パフォーマンスに)政策がミックスしたら最強だと思います。
 合わさっていませんか?
 ─職員からは、そんな(パフォーマンス先行の)意見が多かった。
 職員の声だけを聞いていると、本当に都民が求めている都政になるかは別だと思います。
 ─知事と職員が一体となって信頼関係があってこそ都政が前に進む。
 それは当然じゃないですか。
 ─その部分についてアンケートでは厳しい意見が多かった。
 聞き方よ(笑)。
 ─顧問の活用の仕方を変える考えは。
 着実に一歩、一歩進めることですね。スピード感を更に高めていく。これまでは後ろ向きな話が多かった。これからはどんどん前向きにいきます。
 ─具体的に挙げるとすれば。
 数字的な目標を出している。三つのシティもそうだが、都民の幸福度、満足度は50%なんです。東京のように人、モノ、金、情報がそろっていて蛇口からそのまま水が飲めて、複雑な地下鉄が数秒の狂いもなく走っていて、夜道を女性が一人で歩いても安全。子供が自分で学校に行く。当たり前のことだと思っていることは世界では珍しいことなのに満足度は50%。本当に心から満足してもらえる東京にしていきたい。その数値目標を50%から70%にしていく。アイテムはたくさんありますよ。待機児童とか、高齢化対策とか。でも総合的にどのくらい幸福かというのは皆さんに都政に共感を抱いてもらって、納得してもらって、本当にそうだよねということを一つひとつ具体的に進めていきたい。
 ─知事が明るい未来のビジョンを発信するのも重要では。
 それをまたパフォーマンスと言うんでしょ。
 ─パフォーマンス自体は否定しませんけど。
 否定しているじゃないですか(笑)。
 ─議会構成も変わりました。政策を進めやすくなるのでは。
 都民が変化を求めたというのは知事選、都議選に表れているように思う。過去の延長線ではなく、新しいことを求めている証左。都民ファーストの会の方では、400近い公約を出しているけど、議会側の発信、都民の声をしっかりと受け止めながら、都の職員17万人と仕事ができる環境づくりというのが2年目につながってくる。
 ─情報公開は一丁目一番地と言っていましたが、豊洲移転などの基本方針は情報開示請求しても出てこないという話もあった。
 では、石原知事の尖閣(諸島購入)については、いつどこで誰が(意思決定)したのか、情報公開されていますか?
 ─されていない。それを改善するのが小池知事かなと思っていた。
 それは政策判断だからですよ。
 ─政策判断に関しては開示する起案文書がなくても大丈夫なのか。
 知事ですから。尖閣にはありましたか? 総理が消費増税を先延ばしにすることについての起案文書はありますか?
 ─そこを改革するのが小池知事かなと。
 それはものによりますよ。受け止め方のプアーさじゃないですか。
 ─市場はそういった事案ではなかったと。
 これまで、それぞれの意見を出して、最終的な基本方針を固めたということです。
 ─市場移転はどう進めていきますか。
 しっかりと安全性の確保のために専門家会議が進めてきた案を議会にかけて、安全性の確保に努める。市場の関係者の方々の意見をまとめていただき、いったん移転を決めていただいたときの気概を持って、中央市場としての豊洲開設を一歩ずつ進めていきたい。
 ─築地再開発は。
 これは民間の力を最大限活用して、あれほどいい地の利のところはないわけですから、東京の資産として生かしていくことに尽きる。いっぱい案はあります。
 ─ありがとうございました。

(聞き手=後藤貴智)


 

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