都政新報
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小池都政1年/【第2部】都職員アンケート(1)/小池知事の1年・職員が採点/知事の評価、都民と職員で乖離/1年目の採点平均点は46・6点

 
   小池知事1年目の点数は平均で46・6点─。本紙が都職員を対象に小池都政の1年目を評価するアンケート調査を実施したところ、小池都政を厳しく評価していることが分かった。また、同点数が合格点かどうかの質問では、「落第点」「合格点は与えられない」が全体の57・1%を占めた。各メディアの調査では、小池知事の支持率は70%に近い結果も出ているが、都民と職員の小池知事に対する評価のギャップが浮き彫りとなった。特別顧問の意見を重視する政治スタイルや政局重視の姿勢などが低評価につながっている。職員から見た小池都政をシリーズで分析する。           =4面に「自由意見」と集計結果概要

◆1年目の採点/平均点は46・6点
 職員による小池都政1年目の採点状況では、最も多かったのが「41~60点」で全体の35・5%を占め、「61~80点」(20・3%)、「21~40点」(18・6点)、「1~20点」(11・3%)と続いた。「0点またはマイナス点」をつけた職員も6・5%いた。40点以下の点数をつけた職員は36・4%に上る。
 単純比較はできないが、本紙が前職の舛添都政1期目前半の評価を聞いた職員アンケートでは、スピード感を評価する声などから平均点は63・6点となり、40点以下は7%にとどまった。また、同じく石原都政の職員アンケートでは、1期目の平均点が71・1点と高く、ディーゼル車の排ガス規制など実績が評価につながっていた。
 石原都政と比べて小池都政が低評価になった要因として、アンケートの自由意見では知事の政治姿勢を指摘する声が多かった。50点をつけた40代の課長は「石原元知事の時も最初は不安が大きかったが、国との対決姿勢を最後まで貫いたことで都民と職員の理解を得ることができた。(小池知事と)自民党との対決は都議選で終わってしまった。用意した命題が石原元知事に比べ、あまりに小さい」と指摘する。
 都民の高い支持率とのギャップも特徴だ。小池都政1年目に50点をつけた50代の部長以上は「都民目線で見れば合格に見えるが、職員目線で見ればほとんど施策は進んでおらず、停滞した」と分析する。
 また、自由意見では、小池知事の意思決定の在り方や判断に対する厳しい意見も多かった。その一つが市場移転延期だ。30代の課長代理は「市場の問題は落としどころも考えずに独断で動いた失政に他ならない」(30点)と手厳しい。40代の本庁課長も「中止、保留しかしていない。自らの政策理念がない」(10点)と指摘する。
 知事が政策を進める際は本来、職員と議論を積み重ねるが、職員よりも特別顧問を重用し、職員を軽視する小池流には、幅広い年代・職層で不満がくすぶっている。60点と比較的高い点数をつけた50代の課長は「都民ファーストでなく、特別顧問ファーストになっている」と指摘。0点とした40代課長代理は「とにかく職員を信頼しなさすぎる。知事がやりたいことを進めるためには職員が必要なのに、自分で全てできると思っており、モチベーションが上がらない」と不満を述べ、20代一般職員は「目指す方向は崇高だが、進め方が独善的過ぎる。職員を信用しておらず、職員も知事のために働こうとは思わない」(50点)とコメントした。中には「職員をうまく使ってほしい」(60点、30代課長代理)と求める意見もあった。
 さらに、小池知事のパフォーマンスや政局重視の姿勢にも、職員の嫌悪感は大きい。40代の課長は「自らが広告塔になって動画などに出演するのはよいが、それが都民感情を逆なでするようなものもあると思う。動画撮影に職員を動員するのもいかがなものか」(60点)と、職員が振り回されている現状を嘆く。
 また、0点とした40代課長代理は「都政を完全に政争の具にしている。自らの評価が上がりそうな事柄にのみ、現実を直視せずに思いつきで政策を展開している。このまま進むと、次の知事の時には膨大な負の遺産が残る」と危惧する。
 一方、小池知事を評価する面では推進力を挙げる声が多かった。「都政の中で優先すべき課題に取り組んでおり、一定のスピード感を持って解決に向けて進めている」(90点、40代課長)、「期限の迫る課題に対して丁寧なプロセスを踏みながらも結論を出して前に進める力を感じる」(60点、40代課長代理)、「メディアを味方に付けて都政を強力に推進したことは事実」(60点、40代課長代理)などの声が寄せられた。
 知事が掲げる東京大改革にも一定の評価がある。「自律改革、事務改善、ライフ・ワーク・バランスなどを進め、一定の成果を出している」(60点、50代課長)、「(働き方改革に関して)我々のような一般労働者が皆、うすうす必要性を感じていたことに切り込んでくれた。幹部職員の意識は変わっていないので、継続して取り組んでほしい」(80点、40代課長代理)。
 今後への期待感も込めて、合格点をつける幹部も見受けられた。70点をつけた50代の部長級以上から「今後は知事の強い理念と哲学を持って都政を運営してほしい」との声が寄せられた。

◆小池銘柄の政策「移転延期」9割評価せず
 アンケートでは小池知事がこの1年間に取り組んだ政策として、市場移転延期や五輪費用の経費負担、働き方改革など10項目を「評価できる」「評価できない」の二者択一で質問した。
 職員が「評価できない」とした政策は、市場移転延期(88・7%)、地方との連携構築(83・1%)、都内区市町村との関係構築(74・9%)、職員目安箱の設置(71・0%)の順。
 市場移転延期に関しては、採点で「落第点」「合格点を与えられない」と評価した職員から「停滞をもたらした責任は大きい」「自分から豊洲の風評被害を作り出した」などの声が上がり、「まあ合格点」と評価した職員も「待機児童対策など重要な改革を進めているが、市場移転は混迷した」と厳しい意見を寄せている。
 地方との連携構築の低評価に関しては、「五輪会場費用について近隣県との関係悪化」(40代課長代理)が影響した模様。また、区市町村との関係構築は、小池知事が首長から今年度予算の要望を聞き取り、待機児童対策で意見交換したが、「当時は都議選が控えていたので、水面下で首長を味方に取り込もうとしていたとの憶測も流れた。パフォーマンスではないか」(40代部長級以上)と分析する声もあった。
 一方、職員が評価できる小池知事の政策では、「受動喫煙対策への取り組み表明」(69・7%)、「保育待機児童対策」(60・6%)、「都庁の働き方改革」(48・1%)が上位となった。
 受動喫煙対策は、舛添都政でも話題に上ったが、都議会自民党が条例による一律規制に反対し、最終的に法規制の必要性を訴えるにとどまった。40代の課長代理は「(実行力のある)小池知事だからできる取り組み」と受け止める。また、待機児童対策では「着実に進めている」(40代課長)、都庁の働き方改革では「歩み出していることは評価できる」(30代課長代理)との声が寄せられた。

■アンケートの概要 本紙は小池知事就任から1年に当たり、都議選後の7月上旬に職員アンケートを実施した。本紙購読者の都職員を中心に800人を無作為に抽出。うち、245人から回答を得た。有効回答率は30.6%。
 

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