都政新報
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宙に浮く移転~豊洲市場の開場延期(4)/会派の思惑/全容解明へ同床異夢

 
   豊洲新市場の主要施設下の盛り土問題などが正式に都議会に報告された27日の経済・港湾委員会。用意された第15委員会室は予算特別委員会で使用する部屋であり、前知事の公私混同問題を追及した場でもある。委員会は午後1時から始まる予定だったが、同委員会の理事会が紛糾し、午後2時30分過ぎにずれ込んだ。
 火付け役となったのは都議会民進党。豊洲新市場の盛り土などに関する資料がA4版1枚しかなく、「正式の議会報告はこれだけか」と不満を述べ、21日に知事に提出した中間報告など全ての資料を出すよう要求。地下水ピット内の水質調査の資料が追加された。
 だが、中間報告は政策企画局や総務部などが基本的に中央卸売市場を調査して策定したので、庁内からは「調査を受けている中央卸売市場が報告書を入手して、提出するのは違和感がある」との声も聞かれた。
 一連のやり取りに関し、ある委員は「全貌の解明という問題意識は全く同じだが、行き着く道をどうたどるかは違う」と指摘した。
■不信感
 これまで議会に施設下に盛り土を実施してきたとの答弁を繰り返してきた中央卸売市場に対し、「議会の与野党を問わず、不信感が生じているのは共通」(都議)だが、会派によってスタンスは微妙に異なる。
 都の答弁に疑いの目を向けているのが公明党だ。これまでの経済・港湾委での都側の答弁では、「万全の対策」などとほぼ同じ内容を繰り返しており、党内は「今後の審議で出てきた答弁をうのみにしてはいけないのではないか」と疑心暗鬼になっている。同党の中堅議員は「議会との信頼関係が失墜している。都が誠意を持って説明してくるかだ」との考えを示した。
 共産党も追及姿勢を強めており、同委員会に石原元知事や濱渦武生元副知事ら12人の参考人招致を求めた。だが他会派からは異論が噴出。公明党は「委員会の質疑で解明されない点があれば、参考人を招致するのが筋」と慎重姿勢を示した。参考人招致するか判断できなかったため、結論は持ち越された。
 27日の同委員会で、資料請求の数は公明党の6本に対して、民進党が11本、共産党が17本。民進や共産は東京ガス豊洲工場跡地を取得するまでの交渉記録などを要求し、庁内からは「なぜ、過去に行った議論を蒸し返すのか」と困惑する声が上がっている。公明は盛り土関連の資料請求が中心で、「代表・一般質問、委員会での質疑で何をただすか仕分けしないといけない」と話した。
 表立ってスタンスを明らかにしていないのは自民党だ。ある自民党幹部は「盛り土問題の審議は欠落していたので、ただしていかないといけない。専門家会議が再招集されたので、軌を一にして安全性の問題を議論していく」とのスタンスを示した。だが、同委員会への資料請求はなく、他会派の委員は「意外だった。戦略か様子見かよく分からない」と困惑した様子を示した。
 同委員会は審議予備日の7日にも開催するか議論された。民進党は7日の開催を求めたが、自民は「代表・一般質問などを行った後に開催するか決めたらどうか」と提案。開催するかは結論が出ていない。
 盛り土問題を見抜けなかった責任は議会も逃れられない。都議の一人は「どうして議会は豊洲新市場の盛り土問題を分からなかったのかという厳しい声が支援者から寄せられている。議会がどう臨むかが問われており、意思決定のプロセスだけでなく、なぜ都側がうそをつき通したのかも解明しないと本当の究明にならない」と厳しく臨む構えだ。
 

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