都政新報
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検証・舛添都政2年~第3部・都職員アンケート(下)/1期目後半の期待/強いリーダーシップ切望

 
   都職員アンケートで舛添都政の1期目後半に期待する施策は何か、主な15項目の中から三つ選んでもらった。
 この中で最も多かったのが「五輪に向けた取り組み」で、全体の6割に当たる175人が回答。次いで高齢者対策、危機管理、子育て施策など都政の重要施策や課題に期待が集まる予想通りの結果と言える。
 ただ、これら施策のバランスやメリハリの付け方への思いは、職員間でも微妙に異なるようだ。「大会前としては、五輪関係の取り組みが弱く感じる」(課長代理級、50代)という意見が上がる一方、「五輪施策だけが先行している感がある」(課長級、50代)、「五輪は言わずもがなだが、一番は少子化対策」(課長級、50代)、「五輪や観光も重要だが、少子高齢化を見据え、高齢者・子育て施策とバリアフリー化やコンパクトシティーなどの都市づくりに力を入れる必要がある」(課長代理級、40代)などの意見が寄せられた。
 子育て施策に関しては、「子育てと仕事が両立できる都市に。週休3日をやりたいなら足元の都庁から」(課長級、40代)などの声があった。

■議会との関係修復
 こうした都政の重要課題に次いで、職員が高い関心を示したのが「知事と議会との関係」だ。約2割の職員が「力を入れるべき」と回答した。
 「局によっては事業推進に影響が出ている」(課長代理級、40代)、「今のままでは残り2年間に不安を感じる」(部長級以上、50代)といった意見が相次いだ。
 中には、「知事と議会が緊張関係になることはよくあり、間に入る職員がもっと機能しなければいけない」(課長級、40代)など職員が汗をかくべきとの指摘もあった。
 都市づくりなどのハード事業も、2割が期待すると答えたが、期待の裏には「不満」も見え隠れする。「ハードの勉強をさらに行って、ソフトとのバランスを検討されたい」(課長級、50代)、「水素社会も大切と思うが、五輪のレガシーとして都市づくりなどハード事業を語ることをお願いしたい。これまで財政上の理由から、議会で語ることもはばかられていた」(部長級以上、50代)との声が多かった。

■長期的な視点
 期待の声が少なかったのは「都市外交」「文化施策の推進」「グローバル都市(金融センター)の実現」など。もちろん、3項目を選択してもらう中で、「地方自治体の本流」とは言えない施策が相対的に低くなるのは仕方がない面がある。文化施策などは民間主体で、行政は側面支援の部分が大きいことが結果に表れたと言えそうだ。
 ただ、「舛添銘柄」となる「グローバル都市」と「都市外交」への期待が低いことは注目される。「都市外交は都民や自民の言う通り、切迫性・必要性が感じられない。特に中韓との関係は、一自治体の首長が出ていってどうにかなるものではない」(課長級、40代)との意見があった。
 最後に、舛添都政全般に対する意見を聞いた。
 この2年間の都政運営では、「当初は前知事との差を意識しながら堅実な印象を受けたが、結局はただ目立ちたいだけで舛添知事らしさは感じられない。地味だけど大切な政策がなおざりになっているのではないか」(課長代理級、50代)といった意見や、「知事は身近な職員だけでなく、事業局の声も良く聞くべし。自分の関心のあるテーマにだけ力を入れている」(部長級以上、40代)との声が寄せられた。
 成果については、「舛添知事によって新たな施策が生まれたというより、前の都庁の遺産がこの時期に開花している印象」(課長級、40代)という見方があった。
 長期的な視点を求める意見も相次ぎ、「目先だけでなく、もっと長期的な視点から取り組んでほしい」(部長級以上、50代)、「対国においても政策の柱が欠けている。長期計画の思想が欠如しているのが原因ではないか」(課長級、50代)との意見も。
 さらに、期待では「リーダーシップ」を口にする職員も強い。「求心力のあるリーダーになり、石原元知事ぐらいに常に注目される存在になってほしい」(課長級、40代)「得意の福祉を入り口に、五輪の成功に向けた総合的な取り組みを強化するリーダーシップを期待する」(課長代理級、50代)、「国に対して物を言う知事に」(課長代理級、50代)などの要望が寄せられた。
 15日に発表になった来年度予算原案では、五輪後のレガシーなど、長期的な視点での施策展開を打ち出した。こうした事業を展開する中で、強いリーダーシップを発揮できるかが、舛添都政1期目後半のポイントとなりそうだ。
=おわり

 

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