都政新報
 
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石原都政 都職員アンケート2(2006年実施)

 
  

石原知事のイメージ 行動力評価しつつ増す「無責任」

 職員が石原知事に対して抱いているイメージは、行動力や決断力は評価しつつも、独裁的・独断専行という印象も強く、良い意味でも悪い意味でも「強いリーダー」としての知事像を、1期目から引き継いでいる。


 知事の印象で最も多かったのは、「独断専行である」の80%。続いて「行動力がある」「決断力がある」「独裁的である」「リーダーシップがある」の順だった。これらは、いずれも7割を超え、知事のイメージとして多くの職員に共有されていることが分かる。


 逆に「いいえ」が多かったものを見ると、「民主的」と「優柔不断」が、ともに74%ともっとも多かった。続いて、「親しみやすい」「誠実である」と続いている。


 前回、99年12月の職員アンケートでも、行動力や決断力について、8割前後と高い評価を得ており、今回と同様の傾向だった。独断専行的という見方が多かったり、「親しみやすい」や「民主的」という評価が少ない傾向も、前回から引き継いでいる。「独裁的だが、強いリーダー」というイメージを、1期目当初から2期目終わりまで、一貫して職員が石原知事に対して持っていることが浮かび上がる。


 前回調査から大きく増減したものを見ると、「無責任である」に「はい」と答えた人が、23%から32%と10ポイント近く増加した。「誠実である」に対する「いいえ」という回答も、40%が58%へと大幅に増えている。


 無責任、不誠実といったイメージが高まった背景には、知事が職員や都民への説明責任を果たしていないという印象があると見られる。この間、百条委員会など都政に大きな問題が発生したときに、知事が、職員や周囲に対して責任を押し付けているという批判が高まるケースがあった。このため自由意見でも、「都政に重大な問題が生じても、知事は自分の責任としてとらえることはない」「知事は職員に対して、自らの言葉で説明していない」といった意見が出ている。


側近政治に多い批判
 
 石原知事の都政運営への評価を見ると、「側近政治」とか「区市町村との関係が弱い」などの回答が多く、職員が知事を「独裁的」「非民主的」ととらえている理由が見えてくる。


 特に多かったのは「側近政治的な都政運営の姿勢が目立つ」の87%。石原都政の採点で「合格点」とした職員のなかでも、56%が側近政治的と評価しており、「まあ合格点」とした職員でも、82%がこの項目に「はい」と答えた。百条委員会などを通じて高まった側近政治批判については、石原都政を合格点とする都職員からも厳しい評価が出ている。


 肯定的な評価項目で多くの職員が「はい」と回答したのは、「東京から国を変える姿勢を堅持している」の81%だった。知事がスローガンとしてきた「国との対決姿勢」については、職員にも浸透していることが分かる。


 都政運営への評価として、これらの項目に次いで多かったのは、「区市町村との関係が弱い」「都民、職員参加の考え方が足りない」「右翼的な言動が都政運営に影響を与えている」などだった。


 石原都政の8年間を見ると、知事のトップダウンで決まった事業を中心に、関係する区市町村長などから「事前の説明が足りなかった」といった批判が高まることが何度もあった。現在も、各自治体の首長からは、知事が区市町村を軽視しているという不満が多い。アンケートからは、職員もそうした危惧を抱いていることが見えてくる。


 都民・職員参加が不足しているという項目でも、78%が「はい」と答えている。区市町村や都民、職員など、関係者との意見調整や施策への参加という点で、石原都政に弱点があり、それが「非民主的」、「独裁的」という見方につながっていることが浮かび上がる。(2007年1月12日付)


 

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